05-03

水文情報

1. ニジェール河の流域で観測されている降雨量、蒸発散量、河川水位、河川流量のdataの入手方法

 ニジェール川の降水量、蒸発散量、河川水位、流量に関するデータは、主にニジェールのニアメに拠点を置くニジェール流域庁(NBA)から入手できます。NBAは流域9か国間の協力を調整し、これらの重要な水文学的・気候的パラメータを含む水資源に関する豊富な情報を収集しています。

 さらに、フランスのモンペリエにあるHydroSciences研究所のSIEREMデータベースなどの科学データベースも、これらの変数の詳細な目録と分析を提供しています。これらのデータは、流域をカバーする降水量観測所(530観測所)と気象観測所(105観測所)の稠密なネットワーク、およびHydronigerプログラムの一環として水文観測ネットワーク(約250観測所)を使用して収集されました。

 これにより、特に西アフリカの長期にわたる干ばつという状況下において、降水量と水文学的レジームの自然変動を分析することが可能になります。したがって、このデータを入手するには、ABN に直接問い合わせるか、パートナー研究機関、特にニジェール川の水資源の総合管理のために ABN および沿岸国と緊密に協力している HydroSciences Montpellier に連絡することをお勧めします。

2. ニジェール河全体を水理的に分析した計算モデル

 ニジェール河全体を水理的に分析した計算モデルは存在します。資料によると、ニジェール流域全体の水収支や流量を評価するために、流域内の降水量、流出量、蒸発散量などを組み込んだモデルが構築されています。特に「Niger Basin modeled available runoff(ニジェール流域のモデルによる利用可能流出量)」というデータが示されており、流域の降雨分布や流量の空間的・時間的変動をシミュレーションすることで、水資源の利用可能性や流域開発の影響を評価しています。このモデルは、上流のギニアやコートジボワールにおける豊富な降水量から、中流のマリや下流のニジェール、ナイジェリアにかけての乾燥地域までをカバーし、河川の流量減少や干ばつの影響、ダムや灌漑取水による流量変動も考慮しています。例えば、1970年代から1980年代の深刻なサヘル地域の干ばつ期間における流量の減少や、それによる内陸デルタの洪水減少もモデルで分析されています。さらに、このモデルは水資源管理や開発計画の基盤として利用されており、今後の気候変動シナリオや流域開発の影響評価、持続可能な水利用計画の策定に不可欠なツールとなっています。したがって、ニジェール河全体の水理的特性を包括的に把握し、適切な資源管理を行うための計算モデルは既に存在し、実務的に活用されていると言えます。

3. MIDIN の使用方法

 MIDIN(ニジェール川内陸デルタ統合モデル)を使用するには、まずこのモデルが水、動植物、人間活動の相互関係を河川の水路、湖沼、氾濫原などの異なる水文単位にわたって統合していることを理解する必要があります。具体的には、モプティの主要水位観測所での水位データと1990~2000年のNOAA衛星画像による氾濫面積との相関関係を利用し、デルタ北部の水位を1ヶ月前に予測可能です。

 MIDINを効果的に使うには、信頼性の高い水位観測データや衛星画像などの水文・気象データを定期的に収集し、さらにデルタ内の生態系や人間の利用情報をモデルに反映させる必要があります。また、ニジェール川流域委員会(NBA)などの関連機関と連携し、データ共有と解析体制を整えることが重要です。

 このように、MIDINは高度な科学的ツールであり、十分なデータ基盤と多分野の専門知識、地域間の協調が不可欠です。気候変動や上流ダム建設の影響を踏まえた水資源管理や洪水予測、農業用水計画など、デルタの持続可能な管理に活用されます。

4. 計算モデルの利用方法

 ニジェール河の水理的計算モデルは、主に政府機関や国際機関、研究機関が水資源管理や開発計画のために開発・運用しているものであり、一般市民が直接入手・利用することは容易ではありません。モデルは複雑で専門的な水文データや気象データ、土地利用情報などを統合し、高度な解析技術を用いて構築されているため、専門知識と技術が必要です。また、こうしたモデルの多くは流域管理の政策決定やインフラ整備、環境影響評価に活用されており、データの機密性や利用制限が設けられている場合もあります。一部の研究成果や解析結果は報告書や学術論文、国際機関の公開資料として一般に提供されることがありますが、モデルそのもののソフトウェアや詳細データの公開は限定的です。しかし、近年はオープンデータやオープンソースの水文モデルも増えており、ニジェール河流域に関連する基礎データやモデルの一部は、国際機関や研究プロジェクトを通じて部分的に公開されている可能性があります。一般人や非専門家が利用したい場合は、関連する国際機関(例:FAO、UNEP、世界銀行など)や地域の水資源管理機関の情報公開や協力プログラムを通じてアクセスを試みることが現実的です。まとめると、ニジェール河の全流域を対象とした高度な計算モデルは一般に自由に入手・利用できるものではなく、専門機関を通じた利用や研究協力が必要ですが、一部の情報や解析結果は公開されているため、それらを活用することは可能です。

5. MIDINの使用依頼

 MIDIN(ニジェール川内陸デルタ統合モデル)を利用するには、主にニジェール川流域委員会(Autorité du Bassin du Niger, ABN)に依頼することが適切です。ABNはニジェール川流域の水資源管理を統括する地域機関であり、水文・気象データの収集・解析を担っています。MIDINの開発と運用には、ABNが中心的な役割を果たしており、フランスのIRDやモンペリエのHydroSciences研究所、マリやギニアの現地研究機関とも連携しています。これらの組織は、現地の観測データや衛星画像、人間活動や生態系情報をモデルに反映させ、デルタの水文環境を総合的に解析しています。したがって、MIDINの利用や解析結果の取得、技術的支援を希望する場合は、ABNへ問い合わせるのが最も効果的です。ABNは流域の9か国をまとめる調整機関として、各国や研究機関との連携を促進し、持続可能な水資源管理に向けた計画策定にMIDINを活用しています。

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